打撲の鍼灸治療

以前、書いた記事の改編版です。

私は治療院まで自転車を使って通っていたことがあります。
当時、朝に40歳前後の女性が自転車で飛び出してきたため、正面衝突しました。

鍼灸師とあろうものが、右手中指を打撲してしまいました。
治療院にて、早速治療をしました。
治療後、患部には痛みや腫れもなく、指を握ると違和感が残る程度でした。

打撲には「灸」を使います。
灸は火を使うので、打撲箇所に熱を与えるのでは逆効果だと思いますが、熱を取る灸があります。
私の所属する勉強会では、サーモグラフィーでこの灸の実験をしていまして、その効果は実証済みです。

艾の形状、硬さ、取るタイミング、壮数などちょっとしたコツがあるのですが、効果てきめんです。
ただし、注意が必要です。
やり方を間違えると患部に熱を与えるため、大変なことになります。
目の前で、失敗を見たこともあります。
患部(指)は腫れ、患者さんの具合がみるみる悪くなっていきました。
ちなみに、この失敗は私の治療ではありません。

専門的には、補法(ほほう)と瀉法(しゃほう)のうち「瀉法」側の治療をします。
『黄帝内経 霊枢』経脈篇という医学古典に書かれています。

「盛則寫之」
盛んなるは則ちこれを瀉す。

補瀉の概念、基本を押さえると様々な治療に応用が利きます。
瀉法でいえば打撲だけでなく筋肉痛、ぎっくり腰、寝違え、マメなどの治療もできます。
灸だけでなく、鍼でも瀉法の治療はできますので治療範囲は広がります。

普段、脚や腕をぶつけて内出血をした患者さんへ、このちょっとした灸をしてあげています。
内出血の治りが早まります。

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