息子の日記と引き算

先月、子供たちと神戸空港へ飛行機を見にいきました。
その時のことを小学校1年生の息子が、夏休みの宿題の「絵日記」にかいていました。
許可をとりつつ、日記部分をちょっと拝見しました。

神戸空港の近くに「バンドー神戸青少年科学館」があり、プラネタリウムを見て帰ろうと予定もしていましたが、この日は空港へただ飛行機を見に行っただけでした。
飛行機を1時間以上見て満足したようでした。

私は想い出は、一つが記憶に残ると考えています。
旅行などでは、とかくいろいろ回る先を予定に組みがちですが、私は一つをじっくり楽しみたいとおもっています。
結果的には、その方が想い出や記憶に残りやすいと考えています。

なお、いろいろ回ったり、予定をたくさん組む旅行を否定しているわけではありません。
人それぞれ、楽しみ方や事情があるとおもいます。

この日は、予定を「引き算」していきました。

普段、鍼灸治療でも「引き算」の考え方をしています。
鍼灸治療は、症状に合わせてツボに鍼や灸をするのですが、気になるツボ全部に鍼と灸をすることはまずありません。
これをすると身体に余計な刺激を残してしまいます。
刺激量が多くなり頭痛、微熱、疲労感などを与えてしまうことがあります。

(出典)山田光胤・代田文彦:『図説東洋医学 基礎編』、学研プラス、1979年12月1日

肩こりの症状のときに、図のような「手太陽小腸経」というツボとツボを結んだ線(面)の経脈を使うことがあります。
赤い点で記してあるツボに反応が出ることがあるのですが、全部のツボに対して鍼や灸をすることはなく、必要なツボを選択して治療していきます。
反応している箇所がたくさんあったとしても、ツボを引き算しています。

私の偏見です。
ベテランの先生ほどツボの引き算をしつつ、治療効果を出しているように見受けられます。
ベテランの先生方は、事もなげにしているので凄いなといつもながらにおもいます。
振り返ると、かく言う私も10年くらい臨床に立ったころ、いつの間にかツボの引き算をするようになっていたような気がします。

子供たちにとって飛行機の記憶が強く残ったようです。
今度は飛行機に乗りたいとせがまれています。

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