そばつゆ

2025年も終わろうとしています。
年の瀬ということもあり「蕎麦(そば)」について、特に「そばつゆ」について書こうと思います。

関東出身の私は、そばつゆとは味の濃い、少し辛いものだと思っていました。
また、そういうそばつゆの蕎麦は美味しいものだという認識でもいました。
味の濃い理由は、醤油の比重が高いことからだと思います。

ただ厳密に言うと、ほとんどのお店で味は濃くありません。
濃くないのでそばにつゆが負けてしまう感じです。
関東圏での美味しいお店はつゆの味が濃く、そばにつゆが負けません。
濃いといってもイメージとしては、まろやかな深い濃さといった感じです。

ちなみにそばつゆでは、かつお節などで「だし」をしっかりとります。
また「かえし」は、時間をかけて寝かせていると思われます。
かえしの説明は省きますが、味噌や酒など日本料理は熟成させると美味しくなるものがあります。
そばつゆにこだわるお店は手間と時間、また費用がかかってしまうので非常に少ない印象です。
昨今、かつお節や昆布などだしの値段が急激に上昇していますので少し気になるところです。

写真は昨年、茨城県の常陸太田市で食べた蕎麦ですが醤油ベースで、つゆの味は濃いめでした。
常陸太田の金砂郷地区などは、そば粉の産地で周辺にはお蕎麦屋さんが多くあります。

一方で関西圏のそばつゆは、薄いと気がつきました。
だしが強く、醬油の比重が低いと感じました。

今年、兵庫県豊岡市にある出石(いずし)へ蕎麦を食べにいきました。
かつお節が凄く濃いそばつゆでした。
ちょっと関東圏では受け入れられないようなだしのきいたそばつゆでしたが、私にとって新鮮な味でそばつゆの考え方が少し変わりました。
そばがそばつゆに負けることもありませんでした。
個人的には、黒いそばはそばの香りが強いので、白いそば向きだと思いました。

そばを食べ進めると、そばについた水気でそばつゆが薄くなっていきますが、薬味やとろろ、卵で味を変えていく工夫があり、楽しみもありました。
俗にいう味変(あじへん)です。

関東と関西どちらが良いか、美味しいかは好みの問題、文化の違いだと思います。
東京生まれの息子は、関東の蕎麦を美味しく食べていますし、かつお節の強い出石の蕎麦をおかわりしていました。

だしの味に含まれる旨味(うまみ)成分は、脳に作用して中毒性を与えるとされています。
私の脳は、また出石の蕎麦を食べにいきたいと思っています。

よいお年をお迎えください。

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